継続は力なり
中学時代の恩師にいただいた「継続は力なり」の額です。治療室に飾り、座右の銘にしています。
以前から誰の言葉だろうぐらいに思っていましたが、最近ある本で住岡夜晃(宗教家)の著作「讃嘆の詩<上巻>若人よ一道にあれ」の一説に由来しているということがわかりました。単に継続すれば力となるという単純なものではなく、「人生を通して、一道において念願を継続することにより、青年は真に正しく強い人間になれる」と説いていると思われます。この詩を知って一段と言葉の力を強く感じました。
以下、讃嘆の詩・「若人よ一道にあれ」を紹介したいと思います。
青年よ強くなれ
牛のごとく、象のごとく、強くなれ
真に強いとは、一道を生きぬくことである
性格の弱さ悲しむなかれ
性格の強さ必ずしも誇るに足らず
「念願は人格を決定す 継続は力なり」
真の強さは正しい念願を貫くにある
怒って腕力をふるうがごときは弱者の至れるものである
悪友の誘惑によって堕落するがごときは弱者の標本である
青年よ強くなれ 大きくなれ
汝よ 大きなことをしようとしてはならない
大きなことよりも真実がいい
名利 貪欲に乗って走ってはならない
静かに静かに
いらぬこと いらぬ言葉 そうしたことに時を費やさず
教えを忠実に聞きつつ
一筋の道を歩ませていただくべきである
国土に 家に 周囲の人の心に
何を残して今日一日を送るのか
平凡でもいい 一筋道をゆけ
職業でも 勉学でも 信仰でも ただ一本道を走ってゆけ
一心になった時 何かができる
一本道になったとき 腰がきまる
腰が決まった時 その心に輝きが出る
輝く心は悦びを感ずる
一つのの念が生まれる 何年続きました
十年続いたと聞くときに その中心には誰かがいる
一本道を歩まずにはいられぬ誰かがいる
幾度も熱涙をかみしめて すべてを忍んだ人がある
中心人物がいて 自分の事のようになんでもやる
一心にやる
腰掛気分や 名利のために動く物に大した人物はいない
*住岡夜晃(すみおかやこう) 広島生まれ 1895年(明治28年)~1949年(昭和24年)
小学校教師を経て、宗教家となる。生涯、求道と教育のために捧げられた一生であった。