前駆(ぜんく)症状
20年位前、北日本新聞のコラム・「天地人」に記載されていた、グリム童話の話が印象に残っており紹介してみたいと思います。(記憶をたどりながら、グリム童話「死神のお使いたち」を参考に。)
ある男が、ひょんなことから死神を助けた。『死神は助けてくれた礼のかわりに、約束をひとつしてやろう。お前が死ぬというその時に、おれがいきなり現れたら嫌だろう。だからおれが行く前に、必ず使いの者をやるからな。』と約束をして別れた。
男は、死神の使いが来ない間は死なないというわけだからと、不健康なだらけた生活を送っていました。
そんな、ある日の事。突然、死神が現れました。
男は、「約束が違うじゃないか!お前の使いなんか一人も来なかったぞ!使いが来るまで、死ぬ事はないはずだ!」
すると死神は、「だまれ!おれは何度も何度も、使いを送ってやったぞ!」
「うそだ!」
「いいや、次々とお前に送りこんださ。お前のところに、熱が行かなかったか?鼻水が出て、せきがとまらなかっただろう。それに、めまいはどうだ?腹痛はどうだ?寒気はどうだ?吐き気はどうだ?下痢はどうだ?」『使いに気づいて正しい生活をすれば、もっと長生きできたのに。おろかな男だ。』
※ある病気や発作の起こる前兆として現れる症状のことを「前駆(ぜんく)症状」と言います。小さな症状であっても、軽視することなく、予防や治療を受けましょう。また、いつもと違う症状は医科受診を。不安を感じる症状、突然の強い痛みを感じた場合は、救急にかかりましょう。
(※詳細は、グリム童話・「死神のお使いたち」を検索してみて下さい。)
(H28.2.10)