NO.3 腰痛は原因or症状?
一般的には腰痛は骨盤のゆがみや背骨のズレによると言われています。
このことは、私自身否定するものではありません。しかし、もう一歩踏み込んでなぜ骨盤や背骨自体が歪みやズレを引き起こすのか、別の原因によって引き起こされるのかを考えてみました。
最初に考えたことは、骨盤・背骨の構造とメカニズムについてです。よく骨盤は体の土台と言われます。しかし、建造物のような基礎の部分とは違い、歩行というメカニズムの中で小さく複雑に動いています。
背骨も一つ一つの椎骨が上下の椎骨と関節を作り、可動性をもっています。複数の椎骨が連動した時には、前・後屈、左・右側屈、左・右回旋と6方向に対して動きます。骨盤・背骨は各々に動きがあり、連結連動したときにはより大きな可動性を作り、柔軟性を高めます。
言い換えれば、体の土台としての強さを維持しながら、他方では筋によって形態を変える柔軟性という2面性を兼ね備えた構造をしています。この構造と機能が衝撃や負荷をうまく吸収して体のバランスを保ち、簡単には痛みが出にくいようにしています。
このように、骨盤の歪みや背骨のズレは簡単に起こるものではなく、直接的な原因とは言い難いと思います。腰以外の様々なバランスの崩れが間接的に負荷を掛け、耐え切れなくなった時に腰痛として、現れるのです。
「腰痛は原因というよりも症状と言って過言ではない」