中秋の名月

 

今日9月27日は、「中秋の名月です」。

 

旧暦(太陰太陽暦)の8月15日の夕方に出る月を「中秋の名月」と呼びます。したがって、「中秋の名月」というのは「8月 十五夜の月」一日と決まっています。そして、その日は必ずしも満月にあたるとは限らないとのことです。今年は、翌日の9月28日が満月です。

 

涼しさを感じながら、凛と澄み切った夜空に「中秋の名月」を観賞してみたいと思います。だんご・すすきを供え、子供の頃のように月のうさぎなどに思いをはせるのも趣がありますね。

 

 

ちなみに、「仲秋の名月」とも言いますが、仲秋とは旧暦の8月のこと。現行歴では、24節気の白露(9月8日~9月22日頃)から秋分(9月23日~10月7日頃)の約1カ月間をいい、その期間に出た月を言います(「仲秋の名月=8月の名月」)。「中秋の名月」は旧暦8月15日(今年は、9月27日)の1日を言います(「中秋の名月=十五夜」)。このように、本来の意味からすると「仲秋の名月」よりも「中秋の名月」を用いるほうが適しています。時代と共にその区別も厳密ではなくなり、「中秋」も「仲秋」も同じ意味として使われることも多くなってきているそうです。

 

※日本の国歴が明治五年(1872年)まで太陰太陽暦を使っていました。明治五年欧州から開国をせまられ、新政府は、「明治五年十二月三

 日を以って、明治六年一月一日とする」という太政官布告を出し、突然この国の暮らしを太陽暦(今の西暦=新暦)に引き込んだのです。

 以来、自然と共にある日本の伝統行事や、農・漁・林業等が混乱をきたし続けているのは当然の事です。現在でも旧暦と西暦に1か月のズ

 レが生じているのはこのためです。(相当の反対勢力があったにもかかわらず、大隈重信と福沢諭吉が断行したといわれています)

※「旧暦(太陰太陽暦)」と現在の「西暦(太陽暦)」の違い

 ・太陰太陽暦・・月が地球を一周するのに29.53日の12カ月分に相当する354日かかります。(1年を立春や春分など24節気で区切り、さ

     らにほぼ5日ごとに初候、次候、末候とする七十二の暦注があります)

 ・太陽暦・・・・地球が太陽を一周するのに365日かかります。(1年・12か月)

 2つの違いは、354日と365日に生じる11日の差です。

 太陰太陽暦は、11日の差をうまく工夫して、月と太陽の両方の運行を考慮した非常に高度で科学的な暦なのです。中国の黄河流域で「農

 暦」として使われていたものが、六世紀後半に日本に伝来して公式に使われ始めました。以来、中国との間に2日の誤差が生じたため数

 回の修正を試みるなどし、天保十三年(1842年)には天文学的にも世界で最も正確な太陰太陽暦となったそうです。

※秋は、旧暦の7・8・9月です。24節気で秋を3つに分けた場合、初秋・仲秋・晩秋となります。それぞれ現行歴で言うと、初秋(立秋8月

 8日~8月22日頃 ・処暑8月23日~9月7日頃)・仲秋(白露9月8日~9月22日頃・秋分9月23日~10月7日頃)・晩秋(寒露10月8

 日~10月23日頃・霜降10月24日~11月7日頃)になります。

※タイトルの「中秋の名月」は秋の仲秋(9月8日~10月7日)の期間中の旧暦8月15日(現行歴、今年は9月27日)です。

※太陰太陽暦(旧暦)とは違い、太陽暦では毎年「中秋の名月」の日付が変わります。昨年は9月8日、今年は9月27日、来年は9月1

 5日、再来年は10月4日となっています。